サッカーや野球、バスケットボールなど、どんなスポーツでも「上手い選手」はたくさんいます。でも、「応援される選手」は、実はもっとすごい力を持っているんです。
試合で点を取ったり、うまくパスを通したりするテクニックはもちろん大事です。けれど、本当にまわりの心を動かすのは、「どんなふうにプレーしているか」「どんなふうに人と関わっているか」という“姿勢”や“心”の部分だったりします。
応援される選手は、自分ひとりの力だけでなく、チーム全体を元気にしたり、まわりの人まで笑顔にしたりする力を持っています。その選手がいるだけで、チームの雰囲気が明るくなったり、仲間がもっと頑張ろうと思えたりする。そんな存在になれることは、選手としてとても価値のあることです。
さらに、選手のプレーは、家族・コーチ・仲間・観客といった、たくさんの人たちが見ています。あなたがどんなふうにボールを追いかけ、どんなふうに仲間に声をかけているか。それはプレー以上に、心に残るものです。
技術だけで評価される時代は終わりました。
これからは、「人に応援される力」こそが、強さの新しいカタチなのです。
応援って、そもそも何?
応援の意味とは
「応援される選手になろう」と言われても、そもそも「応援」って何でしょうか?
応援とは、誰かに“力”を送ることです。言いかえると、「あなたの味方だよ」と伝えることでもあります。
応援の形は、言葉だけではありません。
試合中の「がんばれー!」という声援、点を決めたときの拍手、感謝や励ましが込められた手紙、見守るまなざしや表情、そして、言葉にしなくても伝わる行動。
――実は、応援はさまざまな形で私たちのまわりに存在しているのです。
誰かが一生懸命に取り組む姿に、自然と応援したくなる。
その「気持ちのエネルギー」が、人の心に届く。
それが、応援の本当の力です。
応援されると何が起こる?
では、自分が応援されたとき、どんなことが起きるのでしょうか?
まず一つ目は、モチベーション(やる気)がぐんと上がることです。誰かが自分を見てくれている、信じてくれている。そう思えた瞬間、人は本気になれます。
二つ目は、自信が持てるようになるということ。
「君ならできるよ」「今日もよくがんばってるね」――そんな声を受け取ったとき、自分を信じる力が少しずつ強くなっていきます。
そして三つ目、苦しいときの支えになること。
試合でミスをしたとき、うまくいかなくて落ち込んだとき、誰かの応援が心を助けてくれることがあります。「またやってみよう」と前を向かせてくれる、見えない力。それが、応援の力です。
応援は、目に見えないけれど、確かに“心”を動かします。
そして、選手自身もまた、「応援される存在」になれるのです。
応援される選手の特徴
「応援される選手」には、特別な才能があるわけではありません。
けれど、人の心を動かす“ふるまい”や“姿勢”を持っていることは共通しています。
ここでは、そんな選手に見られる5つの特徴を紹介します。
1. いつも全力で努力している選手
勝ったときだけでなく、負けたときも、全力を出し切った選手には自然と拍手が集まります。
「最後まであきらめない姿勢」や「一つ一つのプレーに本気で向き合う姿」は、言葉にしなくても見る人の心に響きます。
試合だけでなく、普段の練習から全力で取り組んでいる選手には、応援する側も「この子をもっと支えたい」と感じるのです。
2. 礼儀正しく、感謝を忘れない選手
「こんにちは」「お願いします」「ありがとうございました」――たった一言のあいさつでも、その人の心が伝わります。
保護者、コーチ、審判、対戦相手など、自分のプレーを支えてくれるすべての人に対して、感謝やリスペクトを忘れない選手は、人として信頼され、自然と応援される存在になります。
礼儀や感謝は、技術やスピードよりも、ずっと深く人の心に残る力を持っています。
3. 仲間を大切にする選手
スポーツは一人ではできません。特にチームスポーツでは、仲間との関わり方がとても大切です。
うまくいかない仲間に声をかけたり、失敗した仲間を責めるのではなく励ましたり、全体の雰囲気を良くしようとする選手は、チームの宝です。
そんなふうに周りを大切にする選手は、自分も仲間に大切にされ、まわりからも応援されるようになります。
4. 逆境でもあきらめない選手
試合で負けているとき、思うようにいかないとき、それでも顔を上げて前を向いている選手を見ると、誰もが「がんばれ!」と声をかけたくなります。
ビハインドの状況でも走り続ける。
目の前の壁に向かって、自分なりに考えて工夫する。
そんな選手の姿は、努力の力強さを感じさせ、見ている人の心を打ちます。
5. 謙虚かつ積極的な選手
どれだけ上手になっても、自分の課題に素直に向き合う姿勢がある選手は成長し続けます。
ミスをしたときに言い訳をせず、しっかりと受け止めて改善しようとする。
コーチや仲間のアドバイスをまっすぐ聞いて、自分の成長に生かそうとする。
そんな謙虚さと前向きさを持っている選手は、応援する人に「もっと伸びてほしい」と感じさせます。
応援される選手は、特別なスーパースターではありません。
むしろ、日々のちょっとした行動や姿勢の積み重ねが、人の心を動かします。
「誰かに応援してもらえる」ことは、試合に勝つ以上に価値のある“力”になります。
応援される選手になるためにできること
前述したように、応援される選手には、特別な才能や派手なプレーが必要なわけではありません。
大切なのは、日々の行動や心のあり方を少しずつ意識することです。
ここでは、「応援される選手」になるために、今日から誰でもできることを紹介します。
自分の行動を振り返ろう
まず大事なのは、自分の行動を振り返る力を持つことです。
- 今日の練習、自分は全力で取り組んだか?
- 仲間やコーチ、保護者にちゃんと感謝を伝えられたか?
- ミスしたとき、どんな態度でいたか?
「自分が応援したくなる選手ってどんな人だろう?」と考えて、その姿に自分が近づいているかを振り返ってみましょう。
小さな意識が、あなたを大きく成長させてくれます。
小さなことの積み重ねが大事
応援される選手は、「当たり前のこと」を丁寧に続けている選手です。
・「ありがとう」「ごめんね」が素直に言える
・ゴミを拾う、用具の準備・片付けを手伝う
・周りをよく見て、誰かのために動ける
こうした行動は、派手ではないけれど、人の心に深く残ります。
誰かが見ていようがいまいが、見えないところでも正しい行動を続ける力。
それが、信頼や応援につながっていくのです。
目指すのは「人として応援される選手」
サッカーがうまい、走るのが速い――それも立派な武器です。
でも、「人として応援される選手」になるには、それ以上に大切なものがあります。
技術や結果ではなく、どんな人であるかが、応援する人の心を動かすのです。
- 笑顔
- 礼儀正しさ
- 仲間を大切にする気持ち
- 諦めない姿勢
- 感謝とリスペクトを忘れない態度
これらすべてが、「応援したくなる人間性」につながります。
サッカー選手としての成長と同じくらい、人としての成長を大切にしていきましょう。
【まとめ】応援は、自分を強くする力になる
スポーツの世界では、「上手さ」や「結果」が目立ちます。
でも本当に人の心を動かすのは、応援されるような姿勢や人柄です。
応援は、ただ「してもらう」ものではありません。
応援される経験は、あなた自身の心を強くするのです。
応援されることで、自分も誰かを応援できるようになる
誰かに応援されると、うれしい。
つらいときに力をもらえる。
その経験があるからこそ、今度は自分も誰かを応援できる選手になれるのです。
応援の輪が広がると、チームの雰囲気もどんどん良くなります。
仲間を信じて声をかけ、感謝し合える関係は、チームを一つにします。
チーム全体があたたかく、強くなる
応援される選手が増えると、チーム全体が前向きで、あたたかく、そして強い集団になります。
- 苦しい時間に誰かの全力プレーがチームを引っ張る
- 試合後に観客や保護者が「応援していて気持ちよかった」と感じる
- 勝っても負けても、応援したいと思えるチームになる
そんなチームは、結果だけでなく人の心に残る強さを持っています。
「上手い」より「応援される」選手を目指そう!
技術や才能ももちろん大切です。
でも、どんなにうまくても、応援されない選手は孤独です。
反対に、まだうまくなくても、一生懸命な姿や仲間を大切にする姿勢は必ず人の心を打ちます。
これからのあなたに目指してほしいのは――
「上手い選手」よりも、「応援される選手」。
その先に、きっとあなた自身の本当の成長があります。
最後に
「応援される選手」になろう!をテーマにここまで書きましたが、「誰かを応援できること」も立派なスキルです。
実はこちらの方が大事だったりもします。
「応援される」ためにも「身近な人を応援する」ことから始めてみるのもいいかもしれません!
最後まで読んでいただきありがとうございました。